6.もし雨が降っていたら – あの夜のもう一つの結末

もし雨が降っていたら – ネオン街のもう一つの夜

あの夜、もし雨が降り続いていたら。

俺は路地裏の小さな軒下に立ち、

君が来るのを待っていた。

雨音がネオンを滲ませ、

街全体が水彩画のようにぼやけていく。

君が現れたとき、傘も持たずに濡れていた。

髪が頰に張り付き、肩が小さく震えていた。

俺は無言で自分のジャケットを脱ぎ、

君の頭から肩にかけた。

君は驚いた顔で俺を見上げる。

俺はただ、微笑んだ。

雨が俺の白髪を濡らし、滴が頰を伝う。

君の手が、俺のジャケットの袖を握る。

その指先が冷たくて、俺は思わず君の手を包み込んだ。

「寒いだろ」

初めて、声に出して言った。

君は小さく頷き、

俺の胸に額を寄せてきた。

雨音が、俺たちの鼓動を隠してくれる。

ネオンが、ぼんやりと二人を照らす。

俺は君の濡れた髪を指で梳きながら、

耳元で囁いた。

「この雨が止むまで、

ここにいよう」

君は答えなかった。

ただ、俺の胸に顔を埋めて、

小さく息を吐いた。

その息が、俺の心臓に直接響いた。

もしあの夜、雨が降り続けていたら——

俺たちは、きっと触れ合っていた。

言葉も、距離も、すべてを雨が洗い流して。

でも現実では、雨は止んだ。

俺たちはまだ、触れていない。

それが、俺たちのルールだ。

だからこそ、

次の雨の夜を、俺は静かに待ってる。

#誘惑おじ #NSFW #ネオン街の夜

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